システム開発者の旬なつぶやき

2023.02.14
制御盤

制御盤の配線作業に関するコツと注意点

年度も終わりに近づき、各企業様も新入社員の受け入れや、来期に向けて、準備に勤しまれている頃だろうと思います。制御盤、配電盤の製作をこれから学んでいく方々は、配線作業に携わるときに電線の種類、 配線方法はどうするのか・・・など、覚えることや考えることが多く、大変です。 今回は、制御盤製作の上で使用する基本的な配線の種類や、配線作業のコツや注意点などをご紹介させていただきます。

1、制御盤で使用される電線とケーブルの種類

・IV(ビニル絶縁電線)
 一般に広く使用されている屋内電気配線用電線。

・KIV(電気機器用ビニル絶縁電線)
 Kは可とう性(柔軟性)を表す。主に制御盤配線として使われることが多い。

・HIV(二種ビニル絶縁電線)
 最高許容温度が75°Cと高く、IVより許容電流を高く取ることができる。

・KV(電子・通信機器用ビニル絶縁電線)
 100V以下の電子・通信機器の内部配線として使用される
 PLC(シーケンサ)のような低電圧  低電流回路の接続に用いられる。

・VSF(ビニルコード)
 小型電気機器の配線や電源、口出線などに使用される。可とう性に優れ制御盤内での作業性も良い。

これらの電線・ケーブルを、電流の大きさを考慮したうえで、配線の取り回しなどに合わせて使い分けます。自社標準盤の制御・動力盤はこの中でも、お客様にもよりますがKIV、VSFを主に使用し、海外向けの盤などの製作には、一部MTW電線MachineToolWir)を使用したりなど 納品先の規格も考慮したうえで製作しています。 また現在ではIoT化が進み、通信用LANケーブルなども広く使われるようになっています。

2、制御盤配線の方法、注意点

制御盤の配線では、限られたスペースの中で、電線に負荷をかけずに配線することが必要です。 電線に負荷がかかると、発熱などのトラブルにつながります。電気工事の原則として、「ケーブルを曲げるときは、屈曲部の内側の半径をケーブル外径の6倍以上にすること」と指導されているように、電線を曲げるときに曲げ半径が小さくなりすぎないよう注意が必要です。 また圧着端子を付けてから電線を曲げ、制御盤内の機器同士を接続すると、 電線がバネのように反発し、機器や端子部に負担をかけ破損させたり、硬い電線や太い電線は曲げ部に熱が発生する恐れがあります。 そのため、電線を小さく曲げる際は、先に電線を曲げクセを付けた後で、取り付ける機器に合わせ 端子を圧着するような工夫をすると、耐久性や安全性に加え、メンテナンス性も向上させる ことができます。

今回は、制御盤の配線作業を行う上でのポイントをご紹介させていただきました。使用される機器や、配置で配線ルートは都度変化します。近年、半導体製品の調達が困難だったため、ブレーカーなどもメーカーが変更されるなど機器の扱いや取付方法まで変化しております。 当社では、これらの変化も柔軟に対応し機器の取り付けから配線作業、検査をおこなっていますので、制御盤の製作でお困りごとをお抱えのお客様がおられましたらご質問等、気軽にご相談ください!

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