FAシステムを構築する上で欠かせない制御盤。その内部には、リレーやタイマー、ブレーカー、変換器、端子台など、さまざまな機器が搭載されています。これらの機器を効率的かつ確実に設置するために広く採用されているのが、DINレールです。
DINレールは、ドイツ工業規格(DIN規格)に基づいて標準化された金属製のレールです。日本でいうJIS規格のようなもので、国際的にそのサイズや形状が定められています。
これらの特長から、DINレールはあらゆる制御盤で幅広く利用されており、FAシステムの構築において非常に重要な役割を担っています。
DINレールの選定は、一見すると単純な作業に思えるかもしれません。しかし、安易な選定は、機器の破損や品質低下、ひいてはシステム全体のロスにつながる可能性があります。特に、海外製品を制御盤に組み込む際には、より慎重な検討が必要です。
一般的に使用されるDINレールは高さ7.5mmですが、一部の大型機器や海外製品では、レールに取り付ける際の固定ねじが機器本体と干渉することがあります。ねじの頭が機器に当たってしまうと、部品が浮いてしまったり、最悪の場合、落下して破損するケースも考えられます。
このような干渉を防ぐためには、機器の仕様を十分に考慮し、適切な高さのDINレールを選ぶことが不可欠です。例えば、高さ15mmの「ディープハット」と呼ばれるタイプのレールを使用することで、ねじの頭と部品の間に十分な空間を確保し、平皿ねじなどを使わずにしっかりと固定できる場合があります。
PLCなどの熱を発する機器を搭載する場合、DINレールの選定が放熱性にも影響を与えることがあります。ディープハットタイプのように、中板と部品の間に空間ができるレールを選ぶことで、熱がこもりにくくなり、機器の安定稼働に貢献する可能性も考えられます。
DINレールは、制御盤製作において品質や効率を左右する重要な要素です。特に海外製品を組み込む際には、一般的な常識だけでなく、設置する機器の具体的な仕様まで踏み込んで検討することが求められます。
適切なDINレールを選定することで、ねじの干渉による部品の破損リスクを回避し、作業効率の向上、そして何よりもFAシステム全体の品質と信頼性を確保することができます。
FAシステム設計や制御盤製作でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
>>お問合せはこちら