生産ラインにおける2tクラスの重量物搬送において、従来は天井クレーンを用いた人手作業を行っていました。しかし、クレーン操作には玉掛け技能者等の有資格者が必要であり、人員確保の難しさと、クレーン待ちによるタクトタイムの遅延が常態化していました。お客様は当初、AGV(無人搬送車)による自動化を検討されていましたが、2tの超重量ワークに対応できるAGVは市場に選択肢が極めて少なく、コスト対効果が見合わないという壁に直面していました。
当社は、お客様の「重量物搬送」という要件に対し、選択肢の狭いAGVではなく、高荷重に対応可能な「AGF(無人フォークリフト)」への転換をご提案しました。1台のAGF導入でテスト運用を開始し、工場内10箇所の搬送ポイントにおける完全無人化に成功。既存パレットや荷姿を変えることなく、クレーン作業からの脱却と安全性の向上、省人化を同時に実現しました。
AGFは、AGVでは困難だった重量物の積載能力と、フォークリフトならではの揚重機能を併せ持ちます。本事例では、有人作業エリアとの共存が可能な安全制御を実装し、まずは1台で10箇所の工程間搬送をカバーしました。この安定稼働実績を受け、現在は2台目の追加導入により、搬送ポイントを31箇所へ拡大する計画が進行中です。将来的なレイアウト変更にも柔軟に対応できるマッピング技術により、夜間稼働を含めた工場のスループット最大化に貢献しています。