基礎知識集

AGVの基礎知識

工場の生産性を向上させるAGV導入のポイント

1. 簡易AGVの基本構造と導入背景

簡易AGV(低価格AGV)は、工場内の搬送工程の自動化と省人化を目的として導入されます。
このタイプの台車は、通常、本体上部が低床構造で、無動力のユニット台車を牽引する形態が一般的です。
走行ルートは、床面に敷設された磁気テープに沿って進む仕組みが主流であり、導入時にはこの走行ルートの設計が重要なポイントとなります。

簡易AGV 導入のメリット

  • 省人化: 無人搬送による作業効率の向上
  • コスト削減: 人件費の削減
  • 安全性: 作業中の事故リスクの低減

2. 導入時に直面する課題と対策

(1) スペース不足の問題
AGVを運用するには十分な走行スペースが必要ですが、多くの工場ではスペースに制約があります。
この問題を解決するため、簡易AGVに移載装置を搭載する方法が採用されることがあります。

簡易AGVに移載装置を設置する利点

  • コンベア式の採用により、牽引方式と比べて省スペース化が可能
  • 狭いエリアでも柔軟に対応できる設計が実現

(2) 重心位置と積載荷重の課題
簡易AGVは牽引荷重が1,000kg程度であるのに対し、積載荷重は200kg程度と制限があり、積載する装置や物品の重心位置によって走行性能に影響が出ます。

解決方法

  • 制御盤の取付位置を見直し、重心を適切に調整
  • 積載荷重を設計値内に抑える
  • 実機テストによる走行性能の確認

3. 簡易AGV導入のポイン

(1) 設計時の注意点

  • 走行ルートの設計時には、他の設備やラック、フォークリフトとの干渉を避けるための十分なクリアランスを確保することが重要です。
  • 台車に移載装置を搭載する場合、装置の重量と重心位置を考慮して設計する必要があります。

(2) 実装時の注意点

  • 簡易AGVの走行時には、蛇行現象が発生しないよう、事前にシミュレーションと実地テストを行います。
  • 磁気テープの敷設状況を定期的に確認し、走行経路が安定していることを確保します。

4. 簡易AGV導入成功事例

東亜エレクトロニクスでは、大手電機機器メーカーの工場内に簡易AGV台車を導入しました。
この工場では敷地内のスペースが限られていたため、コンベア式の移載装置を台車に搭載する方法を採用しました。

結果として、限られたスペースではありましたが、効率的な搬送システムの構築が可能となり生産性を大幅に向上させることができました。

成功要因

  • 移載装置の小型化により、狭いスペースでも運用可能
  • 重心位置の適正化と荷重の最適化により、蛇行現象を解消
  • 現場での試行錯誤を繰り返し、実用性の高い設計を実現

5. 導入のポイントを押さえた簡易AGVの効果的な運用方法

  • 事前調査とシミュレーションを徹底し、運用開始後のトラブルを最小限に抑える
  • 定期的なメンテナンスを行い、磁気テープや制御装置の状態を管理
  • 工場内の他設備との連携を考慮し、スムーズな搬送プロセスを設計

6. AGVシステム導入なら東亜エレクトロニクスにお任せください

AGVシステムの導入実績が豊富な東亜エレクトロニクスでは、お客様の工場環境、搬送工程、対象ワークに最適な台車を提案・設計いたします。

限られたスペースや特殊な搬送ニーズにも柔軟に対応し、費用対効果の高い搬送システムの構築をサポートします。

確かな技術と現場に根ざした経験で、お客様の生産性向上を全力で支援いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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