近年、工場の自動化において欠かせないAGV(無人搬送車)。その走行を支える重要な技術の一つが、RFID(Radio Frequency Identification)です。
本記事では、AGVの走行におけるRFIDの役割、位置情報の取得と走行制御の仕組みについて解説します。
AGVは、工場内の決められたルートを走行し、物品を搬送します。その際、正確な位置情報を把握し、適切な走行制御を行う必要があります。
そこで広く採用されているのが、RFIDを用いたマークプレート方式です。RFIDは、電波を用いてICタグの情報を非接触で読み取る技術で、AGVの位置情報を正確に把握し、走行制御を行うために使用されます。
RFIDには、主に以下の2つのタイプがあります。
AGVには、近距離で使用される小型のパッシブタイプが広く採用されています。特に、13.56MHz帯を使用したRFIDは、国際規格ISO/IEC 18000-3(ISO/IEC 15693)に準拠しており、海外でも安心して利用できます。
AGVには、RFIDタグの情報を読み取るリーダーが搭載されています。走行中、AGVはルート上に設置されたRFIDタグの情報を読み取り、そのデータを管理制御盤に無線で送信します。
管理制御盤では、受信したデータをAGVの絶対値データとして処理し、AGVの走行場所と走行制御をリアルタイムで管理します。
RFIDタグには、通常、数値がアドレスとして書き込まれており、この数値が絶対値としてプログラム上で処理されます。
例えば、以下のように絶対値と走行制御の指示を紐付けることで、AGVはスムーズな走行を実現します。
AGVの走行ルートには、意味を持つRFIDタグが順番に設置されており、AGVはこれらのタグを順番に読み取ることで、正確な位置情報を把握し、ルートを走行します。
万が一、RFIDタグの読み飛ばしが発生した場合は、AGVは走行異常と判断して停止し、安全性を確保します。
RFIDを用いたAGV制御は、以下のようなメリットがあります。