製造業や物流業界における無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)の導入は、ここ10年で大きく拡大しています。需要は右肩上がりで伸びており、現場の自動化・省人化ニーズが急速に高まっていることが分かります。
この背景には、慢性的な人手不足が存在します。特に運輸・倉庫業界では、正社員不足率が67.6%と非常に高く、全業種の中でも深刻な状況です。生産性向上や働き方改革の推進もあり、今後もAGV導入の流れは加速していくと予想されます。
AGV導入による最大のメリットは、省人化と生産性の向上です。自動搬送により24時間体制の運用が可能となり、ヒューマンエラーや事故リスクの低減にもつながります。さらに、ラインやレイアウトの変更にも柔軟に対応できるため、現場の生産体制を大きく進化させることができます。
一方で、AGVの稼働が止まると生産ライン全体が停止するリスクもあるため、リアルタイムの稼働監視や異常検知といった運用面の強化が不可欠です。近年では、無線LANやセンサーを活用したAGV稼働モニターの導入が進み、ライン停止リスクの最小化や搬送効率の可視化が実現されています。
AGV導入を成功させるためには、単なる車両の導入だけでなく、現場に最適化した走行ルート設計や、地上制御盤による精緻な行先制御、走行プログラムの最適化が重要です。現場ごとの課題や運用フローに合わせたカスタマイズが、安定稼働と生産性向上のカギを握ります。
>>AGVの走行ルートを管理する仕組み
>>AGV台車搬送指示制御について:光伝送vs無線通信
また、AGVの台数が増加した場合でも柔軟に対応できるシステム設計や、将来的な拡張性も重要なポイントとなります。リアルタイム監視やサイクルタイム計測などのデータ活用により、ボトルネックの可視化や運用改善にもつなげることができます。
>>工場内AGVの停止トラブルを防ぐ!AGV稼働モニターによるリアルタイム監視のススメ
今後も人手不足や生産性向上の課題は続くと考えられ、AGVや無人フォークリフト(AGF)などの自動搬送システムの導入はさらに進むでしょう。導入時には、現場の課題を的確に把握し、最適なシステム設計と運用体制を構築することが不可欠です。AGVの導入をご検討の方はお気軽にご相談ください。
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