当たり前の話ですが、製造に携わる者として、作業中に常に注意を払わなければならないのは、
”SQCD”と呼ばれる「安全・品質・コスト・納期」です。
これらの内容は、製作の基本作業がしっかりとできているかという点が大きく関係しており、
基本作業でのトラブルは災害や、納期、お客様との信頼関係の損失に大きく直結します。
その中の一つ、「ボルト締付」は製作後に確認作業が必要な上、見落とす危険があり、通電時の危険や
トラブルが生じやすいです。
電気関係の仕事だけでなく、機械関係にもこのボルト締結の重要性は共通しており、
他社の過去トラブルでも、ボルト一つの閉め忘れで、数億の損害が発生してしまうような重要な項目です。
電気工事では、ブレーカーやリレー、端子台に多数の配線を接続する作業が多くあります。
その中で、締め付け不良があると、通電後にボルトとが緩み、端子と接地面に隙間ができる
ことで設置面積が減少し、熱が発生します。
そうすると、機器類や電線の焼損や電線の溶断の原因となり、工場の生産トラブルを引き起こしたり、
高電圧・高電流の箇所となると最悪、火災に至ることになります。
このようなことを防止するために、ボルトの締付確認が盤製作の中で必要となります。
ボルトの締め付け作業にはいくつか注意点があります。
①接続部の端子は機器に適切な端子を使用すること。
②接続部のねじ山のズレなく、端子をしっかりと挿入すること。
③締付部の過締め付けがないこと。隔壁等の破損がないこと。
これらに注意しながら作業を行います。
作業中のボルト締結は、ボルト径に合った適正なドライバー(図1)
またはレンチを使用し、締め付けます。
各所締め付け完了後に、配線を手でつかみ、動かしてみるなど
を行い、締め付けに問題がないか確認します。
確認後、ペイントマーカー等でボルトの頭をマーキングします。(図2)
自社では、製作完了後に作業者とは別の検査員にて、
盤の仕様や配線に間違いがないかなどを確認します。
その際にも、ボルトの締め付け確認として、トルクレンチ等の
検査工具を用いて検査を行い、締め付けのダブルチェックを行います。
また、検査時は下図のような検査用工具をまとめた台車を設置しており、盤内の数多くある
ボルトの種類にスムーズに対応できるようにするなどで検査でも正確性と効率化を意識しています。
ボルト締結は盤製作を行う上で、かなり回数の多い作業で、ヒューマンエラーが起こりえる作業です。
なので、上記の注意点を意識しつつ、入念な確認を行いながらお客様へ納品しております。
基本作業というのは上記で申し上げた通り、一つのミスが重大なトラブルに繋がりかねないものです。
これからもさらなる品質向上を目指し、精進してまいりますので、気になる点がございましたら
お気軽にお声掛けください。