システム開発者の旬なつぶやき

2023.06.15
制御盤

制御盤の電気部品の紹介! 制御リレー編

制御盤は様々な機器を組み合わせる事で、工場内の設備の制御を実施する設備です。今回は制御盤内で重要な役割を果たす「制御リレー」についてご紹介させていただきます。

制御盤は製作する上で、様々な種類から型式やそれらの種類や仕組み、用途など・・・最適な組み合わせを覚えることは、非常に大変です。

制御リレーについて、詳細に説明した記事等は複数ございますが、「制御盤」との関係性にフォーカスをあててご説明している記事はそう多くありません。

今回は制御盤を製作する上で大きな役割を果たしている「リレー」について必見の内容となっております。

①制御リレーとは

制御リレーは、電気信号を受け取って、機械を制御するためにデジタル信号を出力する部品です。 リレーは英語で「Relay」と書きます。運動会の種目としてよく知られている、バトンを渡すリレーと 同じ意味の言葉です。

電気部品としてのリレーも、運動会のリレーと同様に「受け取って渡す」役割があります。 受け取るのはバトンではなく電気信号、渡す先の機器や回路へと電気信号を伝えます。

リレーのさまざまな働きを組み合わせることで、複雑な制御も可能となります。

②リレーの種類

リレーには、有接点リレーと(メカニカルリレー)無接点リレー(MOS FETリレ-、ソリッドステート・リレー)があります。

機械的な動作で接点を接触させるのが有接点リレーです。コイルの働きにより電磁作用で接点を 開閉させる仕組みが一般的です。有接点リレーでは接点が直接接触するため、接点が少しずつ 摩耗していきます。

一方、無接点リレーはその名のとおり接点の接触どころか、接点そのものがなく半導体の働きに よって電気を光に変換し、その光を受光部で受けることにより、再び電気信号に戻します。 摩耗する部分がないため、有接点リレーに比べ長寿命なのが特徴です。

有接点リレーは機械的な動きに必要な時間がかかりますが、無接点リレーは光の速さで信号が 伝えられるため、非常に速い動作速度を持ちます。 しかし高電圧・高電力を流す場合は、機械的に接触させることのできる有接点リレーが適しています。

無接点リレーに高電圧を流すと限界以上の熱を持ちやすく、半導体が破損する可能性もあるのです。

メカニカルリレーはコイルに電圧を印加することで駆動しますが、MOS FETリレーは電流駆動です。 無接点リレーのLEDの光量は、さまざまな要因で変化します。電流値が大きくなれば、光量も強くなります。

電流値が大きくなれば、光量も強くなり、長年使用していると劣化により光が少しずつ弱くなっていきます。 そのため、長くご使用いただくためには、経年劣化時の発光量も考慮しなければなりません。

さらに、温度が高い環境下であればMOS FETを駆動させるために必要な電圧が高くなるため、平常の温度 よりも大きな電流を必要とします。

ですが、定格以上の電流を流すことはできず、これらの要素を正しく 設計に組み込まなければ、機器の故障につながります。

③リレーの役割

「信号を受け取り出力する」ことが制御回路の基本です。複雑な制御システムも、これを複数組み合わせて 出来ており、この役割を担うのがリレーです。

そのリレーの3つの特性と働きについて説明します。

①小さな電流で大きな負荷の開閉を行うことができる

有接点リレーであれば、入力側に電圧を加えるとコイルに磁束を発生させるだけのごく小さな電流が流れます。 これにより、入力側とは直接の接触がない出力側の接点が動いて導通します。

出力側の接点には容量が定められており、その範囲内で大きな電流を流すことができます。

このように、入力側に小さな電流を流すだけで、出力側では大きな電流の流れる負荷のオン・オフができます。

②異なる種類の電気信号を伝達する

リレーは入力側と出力側は接していないため、別の種類の電源電圧を接続することができます。 例えば入力側にDC12Vを加えてコイルを作動させた場合でも、出力側には100Vの機器を接続し制御することが 可能です。

一般的に、入力側で使用できる電圧が定められていて、出力側は流すことのできる電流が接点容量 として、定められています。

このように、異なる電源間で信号を伝えることができるのも、リレーの重要な役割です。

③一つの信号入力で複数の出力を出す

出力側に複数の接点を持つリレーがあります。2接点、4接点、6接点などがあるほか、三相電源を考慮して つくられたマグネットスイッチは3つの接点を持ちます。

入力側にひとつの信号を入れるだけで、これらの接点が同時に開閉するため、複数の信号として出力する ことができます。

 

制御盤は、このような複雑な機器類とプログラムなどが組み合わされ、工場内の機械の制御を行っています。

機器の選定や配置などは、お客様の工場の環境やそれぞれの規格、用途などによって変わるので、 制御盤の設計者や組立技術者は、多くの機器と柔軟な対応が必要だと考えております。

今回は制御盤の「リレー」について種類や用途、特徴を長文ではありますが、説明させていただきました。

もし、機器の選定や製作関係でお困りなことがあれば、制御盤製作の豊富な実績を有する当社にお声かけください。お客様に最適な機器を選定し、制御盤設計・製作をお手伝いする ことが可能です。

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