AGVのコースレイアウトの際に使用する墨だしのことを書き始めて、今回の記事で3回目になります。一般的に工場の生産現場での ”墨出し” の話はニッチな話題になり、当初はそんなに反響もないだとうと思いながら執筆していました。いざ記載したところ、思いのほか本記事にアクセスいただき、ご担当者様にお読みいただいていることに、我々も驚いております。ひょっとすると、”墨出し”ということではなく、昨今の時流である無人化というテーマ、無人搬送車:AGVへの関心が高まっているということなのかも知れません。
では、本日もAGVのコースレイアウトの検討段階で使用する ”墨だし” について記載してまいります。コースレイアウトを決める際の”墨出し” の作業は、一言で言えば、失敗や間違いが許されない責任と出来栄えに直結する作業です。コースレイアウト図は磁気テープの幅分を考慮していないことが多く、この点を理解せずに行うと、テープ芯で記載されていることから、図面そのまま墨だしをしてしまうと、磁気テープの芯になってしまうので墨が隠れてしまいます。また芯墨(シンズミ)をだしたとこから左右どちらかに磁気テープを貼ると、磁気テープ1枚分ずれることになります。広い施工エリアで各作業者がそれぞれの場所で反対に張り付けてしまい、最後に合わせてみればお、互いにテープ幅分づつずれることになります。そこで、図面ではテープ芯で書いてあったとしても、実際の生産現場ではテープ幅分ずらした面墨(ツラズミ)で墨だしする必要があります。この場合も墨だしをするときに左右のどちら側にテープを張り付けるのか明確に印をつけなければいけません。印については特に規定等はないのですが、AVG導入に関わる作業者全員が分かるように統一しておくで間違いも発生しにくくなります。