同一労働同一賃金の改正法。
これは正規社員と非正規社員との不合理な待遇差の解消を目指すものとして2020年4月から施行されました。
これにより非正規社員の賃金アップとモチベーションがあがることにより、生産性の向上が期待されておりますが、はたして本当に期待どおりになるのでしょうか。
これまで非正規社員が従事してきた作業については当然、費用対効果を算出したうえでその作業が組み込まれているはずです。
単純に非正規社員の賃金がアップすると、その作業に対しての費用対効果が低くなってしまいます。場合によっては作業当たりのコストが逆転する作業も出てくることになります。
そうなると今度はその作業に対しての人員が削られ、より生産性が低くなる、という現象が行ってしまうのではないかと思います。
人材確保も難しい製造現場では、さらに非正規社員に対しての賃金アップと作業当たりの費用対効果の低減とのジレンマが起こってきます。
この状況は、さらに製造現場や物流現場での自動化、省人化が加速すると予想されます。
人材確保が難しい中、費用対効果の算出には単純に一人当たりの労働コスト(賃金)だけではなく、そこに採用コストもこれまで以上にインパクトが出てくることになります。
各製造現場では非正規社員が行っていた単純作業においてはロボットやAGVへの置き換えを真剣に検討する必要があると考えます。