生産設備の自動化のテーマとしては、生産性の向上、人手不足の解消、省人化、というものがまず考えられます。
自動化することで人手不足の解消となり、適材適所に人材登用ができている場合は良いのですが、
生産性向上、省人化、従業員コストの低減をテーマとして過度に自動化を突き進むことは、世の中全体としては良いことばかりではありません。
少しSF的な話ですが、このまま生産設備の自動化が進み、現在、工場の生産現場で働く従業員や、また製造業だけでなく、事務的作業をAIがとってかわり、
事務作業や中間管理職がロボット等に仕事を奪われた場合どうなるか。今まで従業員として働いていた人たちが仕事を失い、数少ない、「人による仕事」を奪いあうことになります。失業率が上昇し、世帯当たりの収入が極端に減り、一部経営者層以外の人たちはこれまでの生活水準が維持できなくなります。
するとさらにどうなるか。今度は本来自動化で生産性を向上させ、コスト低減して生産したものを消費できる人がいなくなります。自動車や電化製品は然り、住宅などの大型商品などはとても購入できるほどの収入を得られる人がいなくなります。これまで富裕層だった経営層も、消費者がいなくなることでとたんに経営が成り立たなくなります。
人間以外の第三者(この場合ロボット等)が人間の世界に入り込むことで、経済のシステムが崩壊する恐れもあります。すこしオーバーに表現しましたが、自動化を突き進むことでSF映画のような世界になることも遠くない将来起こり得ると考えます。