先日テレビで、某ごみ焼却施設で作業者が15メートル下のごみ保管庫に転落した、というニュースが放送されていました。よくよく内容を聞いていると、本来、ごみを投入するピットの内扉が通常は閉まっている構造で、本来は直接保管庫へ落下することはないが、この日は故障中のため、内扉を解放状態で、かつ安全帯の携行もなく作業していたとのことでした。施設側も内扉故障を認識しており、各出入り業者の作業者には注意するよう周知していた、とコメントしていました。
私が気になったのは、なぜ、故障中のピットを使用していたのか、またすぐに修理対応できなかったのか、ということです。普段より製造業の生産設備に携わる者としては、安全に対して厳しい目をもって対応することを求められます。(特に今回の事故では幸い骨折の受傷で済んだが、本来なら死亡災害が起きてもおかしくない位の事故)
事故が起こる可能性が少しでもある場合は、その設備を止めることも、また迅速な復旧対応も必要です。前提として、今回の事故は故障中のピットを使用しなければ防げた事故であると思います。ただ設備保全の観点から見ると、故障が発生する以前より、定期点検等での老朽箇所や不具合箇所の洗い出しがどこまでできていたのか、が気になるところです。
生産設備の自動化は、製造現場の作業者にとって安全で効率的な作業を担保してきましたが、一度、故障や不具合などの異常状態となると、普段とは比べ物にならないくらいリスクの高いものになります。そのことを強くに意識しておくべき事象と言えると思います。