システム開発者の旬なつぶやき

2017.07.27
AGV

簡易AGV台車導入について

簡易AGV台車(低価格AGV台車)の導入で苦労したお話です。

一般的な簡易AGV台車は、無人搬送による省人化を目的として生産ラインに導入されます。構造として、本体上部に搬送物を載せる為に低床構造が一般的であり、動力のないユニット台車を牽引しています。AGV台車の走行ルートは予め床に張った磁気テープに沿って進んでいきます。

走行ルート上のスペースが狭かったり、他の設備や製品を入れるラックやフォークリフトなど、AGV台車が架台ユニット台車を牽引しながら走行する際に、これらと接触すると、AGV台車や架台ユニットが破損したりするケースがあります。このような場所では、衝突や接触を避ける為に、簡易AGV台車上に移載装置を搭載することでトラブルを回避します。

東亜エレクトロニクスでは、大手電機機器メーカー様の工場内に簡易AGVを導入いたしました。この工場では敷地内に十分なスペースが確保できなず、AGVの走行スペースに十分なゆとりを取ることができませんでした。

この狭いスペースの問題を解決する為に、簡易AGV台車に移載装置を積載する方式を採用しました。移載装置とは、一言で言えばコンベアのことをいい、コンベア式であれば牽引と比較してトータルサイズが小さくなりますので、今回のスペースに対応することができました。

また、他の課題として、簡易AGV台車の性能に架台ユニット台車を牽引する牽引時の荷重と、直接積載した場合の積載荷重があります。

一般的な簡易AGV台車は牽引する荷重が1,000kgとなり、一方積載荷重が200kgと積載荷重の方が小さくなります。

実際、簡易AGV台車上に移載装置を積載した物を設計、製作して走行確認をしたところ、走行時に蛇行現象が発生しています。蛇行現象の原因は重心の位置が問題でした。地震の時の家屋の倒壊と同じ原理です。重心が高い(上部が重い)場合振幅が大きくなります。

その主な要因は搭載する移載装置制御盤の取付位置のズレ、また積載荷重も200kgを若干超えていた事になります。

重心を適切な位置にする為に制御盤の取付位置と積載荷重を減らす事に苦労しました。

最終的に蛇行現象を解消して無事導入となっています。

簡易AGV台車に移載装置などを直接積載する時は荷重と重心の位置に注意して設計を行う必要が有ります。

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