基礎知識集

AGVの基礎知識

重量物搬送の自動化を実現するAGF(無人搬送フォークリフト)の基礎知識

AGV イメージ

製造業と物流業界における搬送作業の課題

現代の製造現場では、多くの業界で搬送作業の自動化が進んでいます。しかし、重量物を扱う搬送業務においては、技術的なハードルの高さから自動化の導入が遅れているのが現状です。特に物流業界では、EC市場の需要拡大により大型物流倉庫の建設ラッシュが続く一方で、深刻な人手不足が問題となっており、重量物搬送の自動化ソリューションが強く求められています。

一般的なAGVやAMRでは対応が困難な、パレットやコンテナなどの重量物を効率的に搬送できる技術として、無人搬送フォークリフトが注目を集めています。この技術により、従来人の手に頼っていた重量物搬送作業の完全自動化が可能となり、24時間稼働や安全性の向上が実現されています。

AGFの技術発展と誘導方式の進化

AGF(Automated Guided Forklift)は、1980年代に開発された歴史ある技術で、現在では多くの倉庫や工場で実用化されています。誘導方式は世代を重ねて進化しており、第一世代の電磁誘導方式や磁気誘導方式から始まり、第二世代では画像認識方式、第三世代ではレーザー誘導式が採用されました。

現在主流となっているのは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を活用した第四世代の誘導方式です。この技術では、カメラやレーザーセンサーなどの外界センサーと、エンコーダーやジャイロスコープといった内界センサーを併用することで、高精度な自己位置推定を実現しています。レーザーセンサーで取得した周囲環境の情報と地図データの作成を同時に実行しながら、リアルタイムに自身の位置を把握できるため、より柔軟で安全な自律走行が可能となっています。

AGFの核心技術と安全機能

現代のAGFには、高度な技術が複合的に組み込まれています。LiDAR(光検知・測距)やステレオカメラ、慣性計測装置、超音波センサーが搭載され、AIがセンサーフュージョンを行うことで数ミリから数センチ程度の高精度な位置補正を実現します。

特に安全面では、3Dカメラセンサーによる立体的な映像認識により、周囲の障害物や人、他のAGFを検知し、衝突回避しながら安全な走行を可能にしています。人や他の機械が前に現れた場合、AGFは自動で停止するか安全な道に変更する障害物回避機能を備えており、ISO 3691-4:2020が定める無人産業車両の安全要件を満たす設計となっています。

物流・製造現場での実用性と運用メリット

AGFは従来の有人フォークリフトと同等の搬送性能を実現しており、最大走行速度9km/h、最大リフト速度390mm/secといった高性能を発揮します。自動荷役機能により、フォークの上下・前後動作を人手を介さずに正確に行うことができ、荷物を損傷させるリスクも大幅に軽減されます。

通信面ではWi-Fi 6や5Gに対応した機種も登場し、WMS(倉庫管理システム)やMES(製造実行システム)との常時同期により、在庫情報と連動した動的ルート生成やタスク最適化が可能です。複数台のAGFを同時稼働させる場合でも、ソフトウェアによる一括管理により、互いの位置を把握して衝突を防ぎながら効率的な運用を実現します。

東亜エレクトロニクスによるAGF自動化システム

東亜エレクトロニクスは、80年を超える業歴で培った制御技術と産業用機器の豊富な経験を活かし、AGFを活用した自動化システムの導入実績を有しています。FAシステム設計と制御盤製作の専門知識により、お客様の現場に最適な重量物搬送自動化ソリューションを提案いたします。

人手不足や重量物搬送の自動化でお困りの企業様は、ぜひ東亜エレクトロニクスにご相談ください。長年の実績に基づく信頼性の高いシステム構築で、お客様の課題解決をサポートいたします。
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