製造業の現場において、生産性向上と人手不足対策としてAGVの活用が進んでいます。しかし、単に牽引搬送を行うだけでは完全な自動化とは言えません。本当の意味での工程間搬送の自動化を実現するには、設備やコンベアとの間で搬送物の受け渡しを自動で行う移載機能が不可欠です。
人の手を介さずに製品や部品を受け取り、目的地で自動的に荷下ろしする仕組みを構築することで、24時間稼働や多品種少量生産への対応が可能になります。工程間搬送の完全自動化には、AGVと地上側設備との確実な連携と、現場に適した移載装置の設計が重要となります。
AGVが所定の位置に到着したことを設備側に伝え、確実に搬送物を受け渡すためには、AGVと地上側設備との間で信号のやり取りを行う必要があります。この通信手段として、光伝送装置が広く用いられています。
光伝送装置は、光を媒体とした無線式のデータ伝送装置で、移動する機器と固定設備との間でケーブルレスでの信号授受を可能にします。有線接続が困難な移動体との通信に適しており、地上側のコンベアや設備とインターロックを取ることで、AGVの到着確認や移載動作の開始・完了といった制御を確実に行えます。この通信制御により、搬送物の落下や衝突といったトラブルを防ぎ、安全かつ正確な自動移載が実現します。
工場のレイアウトや搬送物の形状は顧客ごとに異なるため、移載装置も現場ごとにカスタム設計が求められます。コンベアを搭載する場合でも、ローラーコンベアやチェーンコンベアなど搬送物に応じた選定が必要です。
さらに、設備との高さ差がある場合はリフター機能を組み込むことで、複数の異なる高さのコンベアとも受け渡しが可能になります。既存のコンベア設備を変更することなく自動化できるため、導入コストの削減にもつながります。
このような現場に適した移載装置を設計・製作するには、機械設計のノウハウと実績の蓄積が欠かせません。ワークの形状やパレットの仕様、設置環境の制約といった条件を踏まえた最適な提案が、AGV導入を成功に導く鍵となります。
東亜エレクトロニクスは、FAシステム設計と制御盤製作の豊富な経験を活かし、AGV/AMRシステムの導入を一貫してサポートします。光伝送装置を活用した設備連携制御から、お客様の現場に合わせた移載装置の設計・製作まで対応可能です。
長年にわたる無人搬送システムの実績により、工程間搬送の完全自動化に必要なノウハウを蓄積しています。AGV/AMRの新規導入や既存ラインの自動化をご検討の際は、ぜひご相談ください。
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