日本産業車両協会の発表では、2019年の無人搬送車両システムの納入実績は前年比1・6%増の3436台で、1989年の調査開始以来最高を記録したようです。しかし、そのうちにの85%以上が磁気テープを使用した磁気誘導方式によるシステムであり、レーザー誘導やSLAM方式による、いわゆるガイドレス方式の導入は15%程度との数字が出ております。
東亜エレクトロニクスがAGVシステムのSIerとして携わる案件は、2021年現在、ほとんどが磁気誘導方式によるものです。ガイドレスAGVには、磁気方式と比較し、停止精度や走行路変更などユーザー側でのシステム変更がまだ柔軟に対応できないなど操作性の課題もあります。 ただし、生産現場のユーザー様から、以前と比較してガイドレスAGVのお問い合わせが増えてきております。ユーザー様のご要望をお聞きすると、担当者様が磁気テープ施工の作業を敬遠して、ガイドレス方式を希望されていることがほとんどです。工場のレイアウト変更時にガイドレス方式の方がハード面では対応しやすい特性がありますが、プログラミング・コマンドの設定等のソフトウェアの問題で費用等が多くかかる場合もあります。両方式のどちらが良いかは、現場ごとによって変わってきます。そういった相談を東亜エレクトロニクスでは選定・提案を含めて、AGVの導入サービスを展開しております。
ガイドレスAGVのソフトウェアのバージョンアップは盛んにおこなわれているので、今後の展開次第では、ガイドレスAGVの課題も改善され安定性が高まり、採用比率も目に見えて変化していくと思われます。今後は弊社においても磁気誘導/ガイドレス問わずお客様のニーズに沿った提案を展開していくように日々精進してまいります。