システム開発者の旬なつぶやき

2025.01.14
制御盤

シーケンサ予備電源の有用性

1. 予備電源を用意しない場合のリスク

制御盤設計において、シーケンサ(PLC)は生産設備の心臓部として機能しますが、予備電源を適切に用意しない場合、重大なリスクが発生します。

【予備電源を用意しない場合のリスク】

  • データの消失: 停電や電源断が発生すると、プログラムメモリやラッチデバイスに保存されたデータが消失し、設備の初期化が必要になります。
  • 生産停止: シーケンサが機能しない状態では、生産ライン全体が停止し、納期遅延やコスト増大の原因になります。
  • 復旧の手間: バッテリーが機能しない場合、復旧作業に多大な時間と労力がかかるため、業務に多大な影響を及ぼします。

このようなリスクを未然に防ぐためには、シーケンサの予備電源を適切に管理し、定期的な点検やメンテナンスを欠かさないことが不可欠です。

2. シーケンサにおける予備電源の重要性

制御盤の設計において、シーケンサは生産設備の安定稼働を支える中核的な役割を果たします。
シーケンサにはプログラムメモリやラッチデバイス、標準RAMといった重要なデータが保持されており、停電や電源断の際にはこれらの情報を失わないためにバッテリーによる予備電源が必要です。
特に三菱電機やオムロン、キーエンス製のPLCにおいては、バッテリーの状態がシステムの信頼性に直接影響を与えるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。

停電時にバッテリーが正常に機能しない場合、以下のリスクが発生します。

  • プログラムデータの消失
  • 設備の初期化が必要になるための稼働停止期間の延長
  • 生産工程全体への影響

3. バッテリーの寿命と交換の目安

一般的に、PLCのバッテリーの寿命はメーカーにもよりますが、3~5年と言われております。

周囲温度や、使用条件によって大幅に年数が変わる場合もございますので、あくまで目安としてお考えください。寿命を超えたバッテリーを放置すると、停電時にデータを保持できないリスクが高まります。

特に三菱電機のQシリーズでは、バッテリー電圧の低下によりCPUユニットの「BAT」ランプが点滅する仕様が採用されており、このようなサインが現れた場合は早急な交換が求められます。

また、バッテリー交換の際には以下の点に注意が必要です。

【バッテリー交換時の注意】

  • 交換時に電源をオフにしないようにする
  • 交換前にバックアップデータを確認する
  • 交換後の動作確認を実施する

4. 予備電源の選定と活用のポイント

シーケンサに適切な予備電源を用意することは、システムの安定稼働を確保するために重要です。予備電源の選定には、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 使用するシーケンサの種類: ユニバーサルモデルか、ベーシック/ハイパフォーマンスモデルか
  • 設備の稼働環境: 高温多湿や振動の多い環境では、バッテリーの劣化が早まる可能性があります
  • バックアップ体制: 定期的なデータバックアップを行うことで、万が一のデータ消失リスクを軽減できます

5. メンテナンス時の具体的な対応方法

シーケンサのバッテリー交換やメンテナンスを行う際には、以下の手順を遵守してください。

  1. バッテリー寿命の確認: マニュアルに記載されている寿命や注意点を確認します。
  2. 点検サインのチェック: CPUユニットやタッチパネルの警告表示を確認し、適切なタイミングで交換を実施します。
  3. 予備バッテリーの準備: 交換時のリスクを避けるため、必ず事前に予備バッテリーを用意します。
  4. バックアップデータの保存: 交換作業前に最新データをバックアップし、復旧に備えます。

特に生産ラインの稼働が重要な現場では、メンテナンス計画を事前に立てることで、トラブルの発生を未然に防ぐことが可能です。

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制御盤の豊富な製作実績を有する東亜エレクトロニクスであれば、お客様の用途・メーカーに応じて適切な予備電源を選定した制御盤を製作することが可能です。

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制御盤の設計・製作でお困りごとをお抱えのお客様がおられましたら、お気軽にご相談ください。

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