基礎知識集

AGVの基礎知識

AGV/AMR複数台制御に必須の「待合わせ制御(待機制御)」のポイント

1. 待合わせ制御(待機制御)の重要性

工場内の搬送工程を自動化する際、AGV(無人搬送車)やAMR(自律移動ロボット)を導入する企業が増えています。しかし、複数台のAGV/AMRが稼働する環境では、搬送経路の交差や合流地点での衝突を防ぐための「待合わせ制御(待機制御)」が不可欠です。

待合わせ制御の目的は、

  • AGV/AMR同士の衝突を防ぐ
  • 交通の流れを最適化し、搬送効率を向上させる
  • 搬送遅延を最小限に抑える

これらの課題をクリアすることで、安定した生産ラインの運用が可能になります。

2. AGV/AMRの走行パターンと制御の難しさ

一方通行レーンのケース

一方通行のループレイアウトでは、AGV/AMR同士が正面衝突することはありません。そのため、単純な経路設計で搬送をスムーズに行うことが可能です。

交差点・分岐・合流があるケース

多くの工場では、交差点や分岐、合流がある走行レイアウトが採用されています。これにより、搬送経路の柔軟性が向上しますが、以下の問題が発生します。

  • 交差点での優先制御が必要
  • 合流地点での衝突リスクが高まる
  • 進入・待機の判断が難しくなる

特にAGV/AMRの台数が増えるほど、待合わせ制御の難易度も上がります。

3. 交差点での待合わせ制御の仕組み

交差点での待合わせ制御は、先に到着したAGV/AMRが優先的に進入できるよう、管理制御盤による制御が行われます。

進入制御の流れ

  1. AGV/AMRが交差点に進入申請を行う
  2. 管理制御盤が交差点の状態を確認する
  3. 先行車両がいない場合、進入許可を出す
  4. 他のAGV/AMRが進入中の場合は待機指示を出す
  5. 交差点を通過したAGV/AMRが管理制御盤に通過完了を報告
  6. 待機していた次のAGV/AMRに進入許可を出す

この仕組みにより、交差点での衝突を防ぎながら、スムーズな搬送を実現できます。

4. AGV/AMRの無線通信を活用した待合わせ制御

待合わせ制御は、基本的に無線通信を利用して行われます。

無線通信を活用するメリット

  • リアルタイムな状況把握:各AGV/AMRの位置情報を即時に共有可能
  • 柔軟なルール設定:優先順位の変更や通行ルールの最適化が可能
  • 配線不要:従来の有線制御と異なり、柔軟にレイアウトを変更可能

無線通信を活用することで、交差点・分岐・合流ポイントでの待合わせを効率的に制御し、搬送遅延を最小限に抑えることができます。

5. 待合わせ制御の最適化ポイント

(1) 経路設計の最適化

  • 可能な限り一方通行のルートを増やす
  • 合流地点を減らし、スムーズな搬送を実現する
  • 渋滞が発生しやすいポイントに待機エリアを設置する

(2) 進入優先ルールの設定

  • 主経路を優先し、支流経路からの合流は待機制御を行う
  • 高頻度で使用する搬送ルートに優先権を持たせる

(3) AGV/AMRの台数に応じた制御方式

  • 少数台数(1〜5台):シンプルなルールベース制御
  • 中規模台数(5〜10台):センサーと無線通信を活用した優先制御
  • 大規模台数(10台以上):集中管理システム(WCS)を活用した動的な最適化制御

6. 待機制御が必要なAGV/AMRの導入なら東亜エレクトロニクスにお任せ!

AGV/AMRの複数台制御において、待合わせ制御は不可欠な要素です。適切な待合わせ制御を導入することで、工場内の搬送をスムーズにし、生産性向上を図ることができます。無線通信を活用したリアルタイム制御や最適なルート設計により、待機時間の短縮や搬送効率の最大化が可能です。

AGV/AMRの複数台制御による大規模な搬送システムの導入実績を豊富に持つ当社であればお客様の工場や、搬送対象物、仕様するメーカーに応じて最適なシステムの提案が可能です。

搬送工程の自動化や改善をを検討されている場合は、是非当社にお声かけください!

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