製造業や物流業界において、生産性向上と人手不足解消の切り札として、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)の導入が進んでいます。特に近年、中国製のAGV/AMRが急速に普及し、日本のメーカー製AGVと並んで選択肢の一つとなっています。
では、日本製と中国製のAGV/AMRには、どのような違いがあるのでしょうか。どちらを選べば自社の現場に最適なのでしょうか。本稿では、両者の一般的な特徴を比較し、導入を検討する際に押さえておくべきポイントを解説します。
日本製と中国製のAGV/AMRには、それぞれ異なる開発思想や強みがあります。これは、開発当初から想定している主要なターゲット市場の違いによるものと考えられます。
主に製造現場をターゲットにしている製品が多いのが特徴です。そのため、多様なワーク(搬送物)への対応、既存設備との連携、厳しい環境下での稼働、そして顧客の要望に応じたカスタマイズ性が重視されます。多品種少量生産や複雑な搬送ルートに対応できる、柔軟なソリューションとしての側面が強いと言えます。
主に物流倉庫をターゲットにしている製品が多いのが特徴です。倉庫内での迅速な導入と多台数での効率的な運用に主眼が置かれています。デジタル技術を最大限に活用し、フレキシブルな走行や優れたセンシング能力により、導入にかかる時間を大幅に短縮できる点が大きな強みです。汎用性の高い標準モデルを大量生産することで、コストパフォーマンスに優れているケースが多いです。
上記の特徴は一般的な傾向であり、もちろん個々の製品やメーカーによって異なります。そのため、AGV/AMRを導入する際には、自社の現場に本当に必要な機能や要件を明確にすることが最も重要です。
選定の際に確認すべき主なポイントは以下の通りです。
どのような課題を解決したいのか(例:人手不足、搬送作業の効率化、安全性の向上など)を具体的に洗い出します。
搬送物の種類、重量、搬送ルートの広さや床の状態、障害物の有無など、AGV/AMRが稼働する現場の特性を詳細に把握します。
搬送ラインや他の自動化設備とどのように連携させるか、ソフトウェアやハードウェアの仕様を確認します。
導入後のメンテナンスやトラブル発生時の対応体制は、長期的な安定稼働に不可欠です。メーカーや代理店のサポート体制も重要な選定基準となります。
これらのポイントを総合的に評価することで、コストや納期、性能といった観点から最適なAGV/AMRを見極めることができます。
多岐にわたるAGV/AMRの中から自社に最適な一台を選ぶことは、簡単なことではありません。多くのメーカーが様々な機種を販売しているため、選定に悩むお客様も少なくないでしょう。
当社は、長年にわたりFAシステムや制御盤の設計・製作で培ったノウハウを活かし、お客様の現場に最適な搬送ソリューションを提案しています。AGV/AMRの選定だけでなく、搬送システム全体の設計から構築まで一貫してサポートすることで、お客様の自動化・省人化を成功へと導きます。
AGV/AMRの導入をご検討の際は、ぜひ一度ご相談ください。お客様の課題に寄り添い、最適なソリューションをともに見つけ出します。
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