基礎知識集

AGVの基礎知識

物流倉庫の未来を担うAMR!AMR市場の現状と将来性

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近年、Eコマース市場の拡大や労働力不足を背景に、物流業界では自動化・省人化が急速に進んでいます。その中心的な役割を担っているのが、無人搬送車(AGV)です。中でも、従来のAGVとは一線を画す自律走行搬送ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)が、次世代の物流ソリューションとして大きな注目を集めています。

本稿では、AMRが物流業界にもたらす革新性と、今後ますます成長が見込まれるAMR市場の現状と将来性について解説します。

物流現場でAGV・AMRの導入が進む背景

物流倉庫や製造現場において、無人搬送車(AGV)の導入は年々増加傾向にあります。これは、主に以下の2つの要因が影響しています。

  1. 労働力不足の深刻化: 少子高齢化に伴い、物流現場での人材確保が困難になっています。重労働や単純作業をAGV・AMRに任せることで、限られた人員をより付加価値の高い業務に振り分けることができます。
  2. EC市場の拡大: オンラインショッピングの普及により、多品種少量生産・多頻度配送のニーズが増加。これにより、物流倉庫ではより柔軟で効率的な搬送システムが求められるようになりました。

このような背景から、AGV・AMRは単なる自動化ツールではなく、物流現場の生産性と競争力を高めるための重要なインフラとして位置づけられています。

従来のAGVとAMRの決定的な違い

従来のAGVは、床に貼られた磁気テープやレールを辿って走行する「ガイド走行式」が主流でした。この方式は、決まったルートを正確に走行できる反面、ルート変更には大規模な工事が必要となるなど、柔軟性に欠けるという課題がありました。

一方、AMR(自律走行搬送ロボット)は、レーザーセンサーやカメラ、AIなどの高度な技術を搭載することで、自ら周囲の環境を認識し、最適なルートを判断して走行します。これにより、以下のようなメリットが生まれます。

  • 高い柔軟性: 磁気テープやレールが不要なため、レイアウト変更やルートの追加・修正が容易です。
  • 障害物回避: 走行中に人や障害物を検知した場合、自律的に回避ルートを探索・再設定して走行を継続できます。
  • 多様な環境への対応: 複雑な通路や変化の多い現場でも、柔軟に対応できるため、物流倉庫だけでなく、多岐にわたる現場での活用が可能です。

AMR市場は今後さらに拡大する

AMRの高い柔軟性は、多品種の商品を扱うEC物流倉庫や、頻繁にレイアウト変更が発生する製造現場など、フレキシブルな対応が求められる環境において特に強みを発揮します。

今後も、物流倉庫の新規建設や既存施設の自動化投資が活発に進むと予想されており、それに伴ってAMRの需要はますます増加していくでしょう。専門機関の予測では、AMR市場は今後数年間で現在の数倍規模にまで成長すると見られています。

このような市場の拡大は、メーカー各社の開発競争を加速させ、AMRの導入コストの低減や性能向上にも繋がっていくことが期待されます。

搬送自動化のプロフェッショナルとして

AMRの導入は、単にロボットを配置するだけでなく、既存のシステムや現場のオペレーションと連携させることが不可欠です。

当社では、無人搬送車(AMR/AGV)を活用した自動搬送システムの設計・構築を数多く手掛けてまいりました。長年にわたり培ってきたノウハウと最新の市場動向を組み合わせることで、お客様の現場に最適な搬送ソリューションをご提案しています。

将来を見据えた物流自動化をお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。
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