配電盤・制御盤は、社会インフラ設備や工場設備・ビル設備などの多くの場所で使用されています。そのため、万が一トラブルが発生して配電盤・制御盤が機能しなくなれば、工場の生産活動の停止など多くの損害をもたらしうることになります。配電盤・制御盤を使用するにあたって、ブレーカーの漏電やモーターの焼損など、様々なトラブルが挙げられますが、それらのトラブルを防止する方策の1つとして、設計者が正しい知識を身につけることによって、トラブルは起こりにくくなります。
配電盤・制御盤のトラブルを防止するにあたって、以下の3点に気を付けることがポイントとなります。
①配電盤・制御盤の使用環境に合わせて適切な部品を選定する。
配電盤・制御盤は、人が近づく場所・近づかない場所、メンテナンスが容易な場所・困難な場所、モーターやブレーカーなどの部品に負荷が大量にかかる場所・かからない場所など様々な場所で使用されています。配電盤・制御盤を使用する環境に合わせて定格や、感度電流などを考慮し、適切な部品を選定する必要があります。
②部品を配電盤・制御盤の適切な位置に取り付ける。
配電盤・制御盤において、部品の配置については規格によって定められていることも多くあります。その規格について従うことはもちろんですが、それ以外にもメンテナンス性や作業効率を向上させるための部品配置や、省配線化・省スペース化など、部品配置に工夫を施すことによって配電盤・制御盤の小型化も行うことができます。
③メンテナンス等の作業効率が上がるように周辺設備の設計を行う。
上記のような部品選定や部品配置の工夫の他にも、配電盤・制御盤のトラブルを防止するためにはその部品に付属する筐体やケーブルなどの配電盤・制御盤の周辺設備の設計もメンテナンス等の作業効率の向上を考慮して行う必要があります。